きみいろおもい
母からLINEが届きました。
昔々、わたしが母にしたためた一通の手紙の写真。
「おかあさん、こまらせてごめん。
わたしのたんじょう日に、ロックマンのファミコンかって!
ロックマン4、ロックマン5、ロックマン3
このうちひとつにまるして!(自分で3にいびつなマルをしている)
その名まえのファミコンをかって!」
(母の日手書きコメント:じぶんのほしいものばっかりかんがえて やるべきことやってないね)
おそらく8歳ぐらいの時の手紙なのだろうけど、なぜ数あるシリーズの中から3なのだろう?
何をしたのか知らないけど、自分の非を謝った直後に自分の要望を押し通そうと強行する。
人って何年経っても変わらないなぁと思った昼下がりでした。
ちなみにロックマン、3、4、5を持っています。
4が一番好き。
わたしが幼いころ、マンガ原作のアニメというのは、作画が原作からかけ離れたものになりがちだったと思う。
今でこそ原作愛の尊重が叫ばれ、原作重視の作画が当たり前になったけれど、ほんの15〜20年ほど前は、アニメから知って好きになった原作漫画を読んで、作画の違いに驚いたことが沢山ある。
逆もあって、そんなアニメは観ようともしなかった。
例えば
原作が随分アダルトでびっくりした。
“トレード”の意味を知った作品。
原作が粗くて卑猥でびっくり。もととと大人向けの漫画だったことを知ったのは暫くしてから。
ピアノの先生の息子の部屋にあったこの号のジャンプを初めて読んで、衝撃を受けました。表紙も下書きのような…
ルパン三世も、同じくびっくり。
こんなポップな作品ではないはず…小花美穂は暗い。矢ガモ。
笑えて笑えて、漫画が大好きだった。
アニメ化に至る際、諸事情があったらしくストーリーまでもが変わっていて、全く受け付けなかったなぁ。
アニメが何故か男性受けするイメージ。サンダル。
これは漫画しか知らないんだけど。原作とアニメの違いの最たる作品なような…江頭望里かっこいい。
そして、ゲーム原作だけれど、ロックマン。
もともと、コミックボンボンで好きな漫画で、買ってもらったゲーム。そのパッケージには、池原しげとの手塚治虫風の画とは似つかないロックマンが…
笑いの無い当漫画の、数少ないギャグシーン。
え、えぇ〜…
かばこ
ひ・と・で・な・し
妹から、メールが入った。
「お姉ちゃん、旦那さんにこんなこと、されたことある?」と、自身の赤くなった腕の写真付き。
どうやら、夫婦喧嘩の末、ご主人のマサオさんにつねられたらしい。さらに、首も絞められたとか。
痛々しい跡を見て、思わず彼に対して怒りを覚えたが、妹の話だけを一方的に信じることの危うさを思い出し、まずは労わり、経緯を訊くことに。
聞くところによると、発端は、自家用車の点検で、ディーラーに行ったとき、係員にドリンクを尋ねられたにも関わらず、結局帰るときまで注文したドリンクが出てこなかったこと。妹夫婦は、周りの客に出されたパンとドリンクを横目に、帰路に着いたらしい。
道中、車内で、マサオさんに、「どうしてわたしたちだけパンもドリンクも無かったんだろうね?」と口にしたところ、「そんなに食べたかったのか、卑しい」と言われた妹は、「あんたも結婚してから卑しくなった」と方向違いの口答えをし、最終的に、暴行されるに至ったとか。
絶対何か隠している。
妹は、一見大人しいのだが、些細なことをオーバーに受け取る性格のせいで、以前からマサオさんと激しい夫婦喧嘩を繰り返していた。駅のホームで、大泣きする1歳の息子をよそに、大声でお互いを罵倒し合い、最終的に周りの客に駅員を呼ばれたこともあるほど。そんなことがほぼ毎日繰り返され、一度はマサオさんと離婚したものの、またマサオさんと再婚するという、のんびりした我が家には異質の、激情型の女だ。
また、伊藤博文も知らないのに、自民党を盲信する、重度のネット右翼でもある。安倍政権が野党やマスコミから叩かれる案件が発生すると、自分で考えることはせず、同じネット右翼の、主観まみれの反論・擁護ブログやSNSを探し出し、「これがマスコミ、やり方が汚い。中韓に汚染されている。」のコメントとともに、その記事のURLを、得意げに家族全員に送りつけ、穏やかな父母を困惑させている。
対してマサオさんは、妹とはできちゃった結婚であったため、当初は我が家から歓迎されていなかったのだが、よくよく考えれば、あんな妹と結婚してくれるのは彼しかいない、本当に出来た人だ、と言わしめるほどの、落ち着いた男性。
妹とお腹の子どものため、好きだった仕事を辞め、将来的に安定した職に転職し、人生を妹に捧げてくれた、奇特な人だ。
だからいきなり「卑しい」だなんて放言する訳がないし、仮にそうだとしても、きっとそうさせる何かがあったのだろうと、わたしは思った。
しかし直接問いただしても、「お姉ちゃん、アンタもマサオの味方なんだね!」と逆ギレされることは目に見えていたので、落ち着いて諭しながら、何とかマサオさんがキレた決定的な理由を聞き出すことに成功した。
なんと妹は、自身のために仕事を変えてくれたマサオさんに対し、「この安月給が!」と、三文芝居のような暴言を吐き捨てていた。
わたしなら、我を失って、車で助手席側を狙って電柱にぶつけにかかるのではないかと思えるほど、人でなしの言葉。
よく聞くと、首も絞められたのではなく、首根っこを軽くつままれただけらしい。
にも関わらず、マサオさんは翌日、やり過ぎたと妹に謝った。聖人のようなマサオさん。
でも、思い出した。「犬が好き」と言った就活中の妹に、安易にドギーマンへの就職を勧めたマサオさんは、きっと妹とお似合いだし、結局2人目の子どもが出来ているのだから、喧嘩は彼女たちの日常で、他人が口出しすることではないのだ。
かばこ
ロカビリーに酢豚は関係ない
最近はRed Dead Redemption 2で遊んでいる。
移動が遅い、馬がすぐぶつかる、敵対するギャングに襲われたら勝てない、歩行者にちょっと馬でぶつかるだけで指名手配、縄でふんじばった指名手配犯がすぐ脱走する、気付いたらお気に入りの帽子が脱げているなど、舶来の機会はゲームでもスマホでも説明が少ないなぁと思いながら、なかなか面白い。
開拓時代末期のアメリカンギャングを描いた作品だとおもう。
洋画好きの母親に、最近のゲームはこんなにすごいとアピールするための1枚。
マリオのゲーム?と尋ねられた。タヌキマリオと間違えてる。
この帽子は、居酒屋で絡んできた酔っ払いから、格闘の末奪った大事な戦利品!
馬への収納方法が分からない。
かばこ
大人スイッチ
4つ年下の妹が、近頃は車を運転していることを知った。
わたしの妹は、おませで、モー娘。のオーディションに応募するほど目立ちだがりやで、4つも年上の姉のわたしへの対抗心が強く、そのくせ中身は勉強不足で口だけが達者な、ネットの情報を鵜呑みにする、あくまで、妹だったのに、
いつのまにか子供を産んで、子どもを幼稚園に通わせ、ネイティブが経営する英会話教室でネイティヴな発音を覚えさせ、自分で作った雑貨のネット販売で財を成し、夫や子どものためにご飯を作り、そして車を運転している。
わたしは、22歳で普通自動車免許を取って以来、ペーパードライバー。
15年前、母親からの、「今日は寒い、を英語で言うと?」の問いに、自信満々に「イッツ コールディートゥデー」とのたまっていた、妹が。
10年前、仕事が辛くて泣いていたわたしに、「23にもなって仕事舐めるなよ!」と説教を垂れてきた、アルバイトをもれなく異性問題が発端の人間関係で辞職していた、妹が。
わたしの妹は、どこかでいなくなったのだろうか。
どこかで、大人になるスイッチでも入ったのだろうか。
それとも、人生の延長線上で大人になっただけで、妹は今もそこにいるのだろうか。
どちらにしても、わたしはずっと22歳のままだ。
ジャクソン5
わたしは音痴だ。
妹は比較的歌が上手いし、父も聴いたことは無いが下手ではないようだし、母に至っては即興でハモりを入れられるほど音楽的センスに恵まれており、血統的には、歌が上手なはずなのに、わたしだけ、壊滅的な音程の取り方。
忘れもしない、小学校4年生の歌のテスト(ふるさと)では、わたしの音痴ぶりを聞きつけた数名のクラスメイトが、本来、先生と一対一のテストの場に、わたしの出番にだけ駆け付けたほど。
これには、思い当たる原因がある。
小学校1年生のころ、大好きなドラゴンボールのOPを、テレビの前で大きな声で曲に合わせて気持ちよく歌っていたところ、丁度、アタマ空っぽの辺りで、横で夕食の準備をしていた母から「あんた音痴ねぇ」と言われたこと。
意味がわからず、音痴って?と訊きかえすと、歌がものすごく下手なことだ、と身も蓋もない回答。
幼心にものすごくショックで、以来、人前で声を出して歌うことをやめた。
本来、声に出して歌うことで育つはずの歌唱力は、成長をやめ、わたしは音痴なままになってしまった。と思っている。
それからは、音楽の授業では口パクを貫き、あくまで喉を鳴らさず呼気だけで歌い、息継ぎも忘れないという姑息な手法だけが磨かれていった。
高校のコーラス大会では、指揮に立候補したクラスメイトが、他のクラスメイトからの密告のもと、わたしが発声しているかを確認するために周囲を虎のようにグルグル回り続けたりもした。
それでも頑なに人前で歌うことはせず、大学生になってもタンバリンかDA PUMPのKENに徹し、音をとって歌うことを避け続けた。(ラップにも音程が必要なことは最近知った。)
社交上、歌うことが避けられなくなった社会人になってからは、酔うことを覚えて、アルコールのせいの音痴を演じる日々。
ただ、1人の時はものすごく歌う。アニソンをすごく歌う。
この間、マンションのエレベーター内で聖闘士星矢をやや大きな声(効果音付き)で歌っていたら、エレベーターを降りたところでまさかの住人と出くわしてしまった。
恥ずかしかったけれど、でも歌うことはやめない。
そんなわたしの唯一の自慢は、絶対音感があることだ。
かばこ
機雷はキライ!
わたしがいま勤めている会社は、給与がものすごく低水準だ。
それに見合うぬるい社風だから表立った不満もないのだけれど、10年前のリーマンショックを言い訳に、未だにボーナスもまともに無い状態。
大学の優秀な友人たちが所謂一流企業で入社数年目には年収800万円を叩き出したのを風の噂で聞き流しながら、未だ300万円台をうろついている。
学生の時「仕事なんてしたくないしー、(当時の)彼と結婚したら専業主婦になりたいし!」などとゆとり世代でももう少しまともに考えるであろう愚かな思考を一貫し、ただでさえあがり症なのに何も準備しないまま迎えた就職活動では、そんなわたしの浅はかさを見抜いた面接官にことごとく落とされ続けた。
偶然筆記試験を通過した某一流商社では、面接で面接官からの「今まで挫折したことはありますか?」の質問に笑顔で無かった旨の返答をすると、面接官は苦虫を前歯で噛み切ったような、心の底から侮蔑したような、哀れみのような表情と唸るような低い声で「でしょうねぇ」と返され、流石に逡巡して帰りのフレッシュネスバーガーでさめざめと泣いたこともあった。
宗教がかった某アパレルメーカーの面接では、「高齢の女性」を「年寄り」と発言して落とされた。
ラジカセの軽快なBGMとともに社員の男女数名がスキップをしながら入室してきた会社説明会は未だによく覚えている。
周りが一流企業に就職先を決める中、未だに就く宛の無かったわたしは親のコネという手段を使ってようやく地元の企業への就職を決めた。
この時の面接後、友人と和民で会った瞬間、サイズの大き過ぎるスーツ姿のわたしを見て膝が揺れるほど笑われた。
また、優秀な大学の友人のうちの1人は、就職が決まった当時ミクシィ(当時の流行最先端SNS)に、就職先である某一流地所名と「インプットを増やしてアウトプットできるようになりたい」「自分の欠点はリスクヘッジができないところ」との自己分析を書き連ねており、彼がこの4年で蓄積したであろう経験や語彙力と比較した自分の大学生活の密度の薄さに悲しくなった。
そうして迎えた入社式。周りが社会人としての意気込みをチラつかせ、副社長による仰々しい祝辞がとうとうと語られる中、気楽な一人暮らしを辞め実家に戻ることとまだ学生の彼と会いにくくなるという安っぽい不安にかられたわたしはひとり目に一杯の涙を貯めていた。
そんなわたしを見た同期たちからは一番はじめに辞めそうと揶揄されたが、それなりに仕事が楽しくなり同期女性で唯一係長になり(単純にみんな辞めるか出産して休みに入ったから)、気付けばこれまで10年近く仕事を続けている。
入社時、交通費支給に必要な書類に自宅から最寄駅までの地図を書く際、線路上に電車のイラストを描き加えて上司に泣くほど怒られたのも今となっては淡い思い出。
ちなみに、入社式に涙ぐんでまで憂慮していた当時の彼との関係は、わたしが入社一年目のとき、彼と韓国人女性との不貞が発覚したので彼の自慢の顔と親に買ってもらったらしきアンドゥメステールのレザージャケットに水をかけてあっけなく終わった。
お仕事がんばります。
かばこ